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小説ドラゴンクエスト5 の感想

ドラゴンクエストⅤというゲームを原作にした小説版。完結済み。
元のゲームを知っていればより楽しめるが、知らなくても十分楽しめる。
ファンタジーや成長物語が好きならお薦めできる。

ドラゴンクエストというゲームは主人公は基本的に喋らない。
なのでプレイヤーの想像に委ねられるのだが小説では流石にそうもいかず
怒ったり悲しんだり普通に喋る。ゲームの雰囲気を壊さずキャラクターを作ってるので
違和感はそうないはずだ。キャラクターよりも物語で独自性をもたせている所が有るので
気に入らない所があるとすればそこになるかもしれない。例えばザイルと雪の女王などは
結末が大きく違っているしスライムナイトでお馴染みのピエールは独自の背景を
持っていたりする。ゲームを元によくもまあこれだけオリジナルな物語を紡ぐものだと感心した。
オリジナルな描写が多い分知らなくても楽しめるわけだ。
また情景描写の表現が素晴らしい。他のノベライズを見る限りでもこの作者は詩的な表現が上手い。

ドラクエⅤは物語として完成度が高い。少年の冒険、父の死、少年から青年へ、幼馴染との再会に
結婚騒動、王として、親として主人公は成長していく。特に親子の葛藤はゲームでは深く掘り下げられなかった
所なのでしっかり描写が行われている小説では大変味わい深いところである。勇者として産まれた息子を
勇者として扱ってきた主人公が泣きつく息子を見てこの子はまだ勇者と言っても子供なのだと自覚するのは
感動した。ゲームでは味気なかった親子の関係を濃厚に描写してくれたのはとても嬉しい。

唯でさえ不気味であるゲマはより一層不気味になっている。こう、人にあらざるものとしての
演出が際立っており正体不明の化物として描かれる。その正体に関しては考えさせられるものだった。
このゲマのボスとしての貫禄が有り過ぎるせいでラスボスのミルドラースがゲームでは完全に食われていた。
最後にちょっと出るだけだし印象も浅い。この小説でも登場は最後の方になるが、大物としての貫禄は
十分に出ていたのは良かった。ゲマの中にいた闇を取り戻したからこそ倒せたというのは実に良い。
ゲマとミルドラースの両方の存在を活用している。何気に薄かったドラゴンの杖も若干描写が加えられてたり
するのが個人的にも良かった。

仲間モンスターがデモンズタワーでほぼ全滅するのはとても辛い。仲間モンスターの個性もしっかりと
描かれるだけ余計に辛い。次々に死ぬ仲間に加え最後は石化である。唯でさえ心に来る場面だというのに
相乗効果で倍である。くさった死体のスミスの散り際はとても悲しいが、しかし美しい。

そういやいつのまに子供出来たんだ?という疑問にもしっかりお応えしている。
直接的なシーンがあるわけではないが、二人が幼馴染から男女の仲をはっきり意識するように成るのは
こそばゆい感じがする。

完成度の高い原作に完成度の高い小説を肉付けしたというのが全体的な感想。
もう何度も読み返している。





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